2006/04/14

TITLE:「 ナビ杯予選 アビスパ福岡 駒場スタジアム 

内舘秀樹の作り方
浦和3-1福岡 得点者:アレックス(福岡)堀之内・暢久・闘莉王(浦和)

内舘は所謂華のある選手ではない。
この試合、誰もが2アシストの相馬、暢久の初めて見せたループシュート等に目がいきがちであろう。きっと内舘に注目していた人は少なかったであろう。だが、影でこの試合を支配していたのは内舘であろう。彼のパスを受ける能力と体の向きはオフト時代に培われたものであろうが、それを愚直なまでに守っている内舘は、やはり浦和には無くてはならない存在である。

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浦和のサポーターはせっかちである。
前半25分の状態で1点ビハインドであるとは言え、クルヴァ近くから攻撃を急かす大きな声の指示が飛んだのにはげんなりである。一人の焦りは万人に伝染する。余裕を持てとは言わないが焦りは禁物である。幸いなのはその指示に呼応する人間が殆どいなかったことであろう。

ガンバとジュビロが優勝争いをしていたシーズン、両者の戦いでロスタイム間際、1点ビハインドのジュビロがCKを得た。蹴るのは名波、焦るこの時間帯で彼はCKに思いっきり時間を掛けた。そしてその行為に焦らされたのはリードしているはずのガンバ。名波はきっちりこのCKを決め、記憶によればロスタイムに逆転まで演じている。うろ覚えなので多少間違っているかも知れないが、名波のその落ち着きがチームの成熟度を俺に感じさせたのは間違いない。

かつて浦和に在籍していた石井俊也がなんらかのインタビュー(しゃべり場だろうか?)で「埼玉の人は1点のビハインドに焦りすぎる。静岡ではそんな事はなかった」との旨の話をしていたそうだ。サッカーで静岡に遅れを取りたくねーだろ。だから俺達も成長しよう。

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そんな石井俊也だが、もしかしたら次節の京都戦でパウリーニョの出場停止により出場機会が与えられるかも知れない。俊也と言えば、浦和での最後の試合となった天皇杯で退場したとき、ユニフォームを投げ捨て去っていった事から、あまり良い印象を抱いてない人が多いかも知れないが、J2に浦和が落ちたとき、当時オリンピック代表で明神と壮絶なレギュラー争いを演じていたにも関わらず『オリンピックより浦和が大事』と早々にチームに残留宣言をしてくれた事に今でも感謝している。三上も怪我が癒えて次節は出場してきそうだ。なにより監督は柱兄である。彼らに今の浦和の強さを見せつけたい。それが低迷期を支えてきた(まぁ三上はちょっと違うが)彼らへの恩返しだと思う。
2006/04/11

TITLE:「 第七節 アビスパ福岡 博多の森球技場 

藪田の経験、岡野の経験、そして拙策
福岡0-1浦和 得点者:闘莉王(浦和)

この試合、内容について云々と語るのは野暮であろう。
終了間際のあの興奮が全てである。90分かけて鬱積させた情緒の解放、それだけで時間と金を費やして博多の森にいるべき価値のある試合である。フットボールのサポーター等と名乗ってる奴はどっかしら病んでいる奴である。頭の捻子がぶっ飛んじまって実社会の中じゃ生きながら死んでるような野郎ばかりである。だからこそ、あんな脳汁が絞り出る瞬間を求めてやまない。A10神経をビンビンに刺激され脳内麻薬で満たされた瞬間にこそ生きている実感を感じ、その欲求にあがなえず、愛するチームに何処までもへばり付いて行く。俺にしてみりゃフットボールは8つの目の大罪である。

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福岡に懐かしい名前の選手がいた。藪田光教である。彼はその経験を存分に活かしスペースを埋め、パスコースを消し、ボールチェックに勤しんだ。まさに献身であった。ベテランにあの動きをされたら、若いチームメイトがさぼるわけにはいかない。この試合の福岡の弛まないDFは彼なくしてありえなかっただろう。

そしてホームの力。オブリを代表する福岡のサポーターの力も感じた。後半アレックスが消えに消えていたのは真横にオブリが陣取っていたからかも知れない。

そんな福岡が善戦虚しく散った敗因は二つ。
なにも福岡にだけベテランがいるわけじゃないのと、あまりに稚拙な采配だろう。

硬直した試合は若さでそれを突き破るか、ベテランの老獪さで打破するかである。
幸いなことに俺達には岡野がいた。後半出場だけでハットトリックを決めたにも関わらず翌節もスタメン起用されずへそを曲げていた頃の岡野ではない、J2や他チームなど様々な経験を積んで縦に突破する勢いだけじゃない老獪さを身につけた岡野がいてくれた。

岡野がDF二人の間をすり抜け、黒部に絶妙なマイナスのパスを出した時、福岡の選手には「やられた!」と電気が走っただろう。しかし黒部自身もそれに反応できず、見送ってしまった後、きっと福岡に安堵の空気が流れたことだろう。「あぁ最後の山を越した。勝点1はもらった」と。でもそうじゃないんだよ。諦めたら終わりな事を安西先生並に知っている男がもう一度あげたクロスはそれまで完全だった千代反田に唯一の競り負けを産み出させた。もちろん先の縦に突破された残像が福岡の選手に残っていた可能性もある。少しポジションを後ろに戻した岡野に対して、福岡のDFは距離を取りすぎていた。それまでガツガツ来ていたのに、スピードでかわすドリブルを怖れてか、対峙する距離が空きすぎていた。その隙を逃さないのが経験なのだろう。左足であげたクロスは闘莉王のヘッドにピンポイントであい、ゴール裏を歓喜の渦に巻き込んだ。

闘莉王がパワープレイで長い時間前線で張っていられたのにも伏線がある。
福岡はスタメンでFWに上背がありフィジカルの強い林を1TOPで活用していた。この林が曲者でなんと闘莉王が何度も競り負けていた。あまりにも珍しい光景である。多分福岡の監督である松田さえも驚いたのではなかろうか?が、しかし何故か林を後半途中で引っ込めてしまった。中盤を厚くし守りきる狙いだったのかも知れないが、狙いとは裏腹に前線のターゲットを無くした事によりリズムが少し浦和寄りに戻ってしまう。慌ててスピード系の有光をFWに投入するが、確かに有光も効果的に働いたが、有光に対しては坪井が居れば充分対応出来る。逆に林が最後まで残っていたらハイボールに難があり、フィジカルで勝負するタイプでない坪井を残して闘莉王が上がりっぱなしになるのはあまりにも暴挙であると言わざる得ない。俺は闘莉王の得点は松田の拙策により為し得たとさえ思える。

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試合全体を通してみればぐだぐだだけど、それでもその一瞬に興奮して気持ちよく逝かせてもらった、そんな昔日のレッズな感じを久々に受けた試合だったよ。
かつて広瀬がFK二発で福岡を沈めた試合をなんとなく思い出した。博多の森はオブリの悲劇がよく似合う。悪い意味じゃなく熱気とそれが急速に冷めていく様子は熱が高ければ高いほど美しいから。
2006/04/04

TITLE:「 第六節 名古屋グランパス8 埼玉スタジアム 

術中オブ名古屋
浦和0-0名古屋 得点者:無し

残り時間僅かのワシントンのフリーキックの時、どれだけの人間が入ることを信じていたのか、どれだけの人間が諦めていたのか、どれだけの人間が惰性でプライドオブURAWAの手拍子をしていたのか、その割合が知りたい。

殆どの人間が信じて願ってあの結果なら、それはきっとレッズと俺達の実力が足りないのだろう。でも俺はもっとスタジアム全体で信じられたなら、きっとワシントンの蹴り足から放たれたボールは信じた分だけ曲がってゴールインしただろうと思ってる。オカルトかよ。あぁオカルトだよ。だけどオカルトを馬鹿にするなら応援なんかやめちまえよ。

応援なんてそんなもんだろ。俺達の一声が選手の一足に繋がると信じて声を張り上げてるんだろ。名古屋の時間稼ぎに集中を切らしてしまってなかったかもう一度振り返れ。選手がじゃなくて、俺達がだ。ボールは曲がるんじゃなくて曲げるんだよ、俺達で。そういう傲慢さと個人個人の無力さを噛みしめながら思いの丈を声に乗せるからこそピッチとスタンドが一体化した非日常空間の中で汗や涙が自然と流れるんだろ。

『長いシーズン、こんな日もあるさ』なんて試合後、何とは無しに言っちゃってねぇか?そこに自戒が無ければ、俺達はまたきっと同じ事を繰り返す。

2006/03/31

TITLE:「 ナビ杯予選 FC東京 駒場スタジアム  

HOME SWEET HOME
浦和2-0F東京 得点者:セルヒオ・酒井(浦和)

懐かしい駒場。
平日夜のこの駒場の空気に懐かしさを感じたのは俺だけじゃないはず。Jリーグ黎明期はこんな夜がたくさんあった。その頃の俺達はクレイジーコールズと言う当時日本最高峰のサポーターグループの元に集ってはいたが、まだ駒場全体を揺らし切るには至らず、当時を美化して語る人はいるが、駒場全体としては未だカオスの状態であったことは否めない。殺伐とした空気と和んだ空気、凛としているかと思えば、澱んでいたりもする。自らをサポーターと意識する人もまだまだ少なく、当時の日本の代表的なスポーツ観戦文化である野球観戦からの流れをともない、まだまだ口汚い野次も多く飛び交い、まさに黎明期であったあの頃。俺達はその頃から十数年という熟成期間を経て、多くの屈辱や歓喜を味わい成長したはずだった。

日本代表に4人選出され、永井と暢久、そして都築を怪我で欠き前回のスタメンから6人を入れ替える状況。驚きなのはスタメンを2TOPとし、その一角にセルヒオの名前があったこと。サブには小池や祐也の名前もあった。層が厚いとはいえ、今期初先発が多数を占めるこの状況では苦戦は必至なのは分かり切っている事。よもやこのメンバーですらFC東京に楽に勝てるなんて思った奴は居ないはず。それなのに・・・・

前半はチャンスがありながら得点できないジリジリした展開。後半はうってかわってFC東京のカウンターが二度三度と連続して浦和のゴールを脅かす展開。苦しい時間帯が続く。でもここを凌ぎきれば、相手ボランチの頭を越えるようなボールがFWに繋がりさえすれば、前がかりにFC東京がなってきた分、浦和のチャンスも決定的なものになると判っていたはずなのに・・・・なんて俺達はこらえ性が無いんだろう。

相手のフィジカルを最大に利用したチャージに文句を付け、流し気味の審判に悪態をつき、あまつさえ耐えている味方にすら野次を徐々に飛ばし始める観客席。なぁ俺達、何年サッカーを見続けてるんだ?自分がサポーターだと認識しているから味方を鼓舞するコールに反応するんだろ。それと同じ口から放たれる野次罵声溜息に何の意味があるんだ。首に巻いたマフラーは単なるファッションかい?それに誇りを乗っけて試合後に掲げるんだったら、それに見合う行動をしようよ。

苦しい時間帯を乗り越えて、若いセルヒオがきっちり結果を出したのはチームの成長の証。なら俺達も成長を示してみようよ。埼スタを揺らす雰囲気をつかみかけた俺達が駒場を使い切れないのはおかしいだろ。中心部ばかりが吠えても、その周囲を取り囲む俺達が反応できないならスタは揺れないよ。ポール持ちの周囲だけがサポーターじゃねぇんだぜ。そしてサポーターは格好良くなければならない。その中でも浦和のサポーターは断トツであるべきだ。格好いいサポーターって何だよ?そりゃヴィジュアル的な面もあるだろうし、そういう部分も否定しない。だけど一番はサッカーを理解しているって事じゃないか。耐えるべき時間帯は選手と共に凌ぎ、攻勢に転じるときはスタ全体で一気呵成に相手を包囲してしまう。ただ文句だけを垂れ流す奴は決してサッカーを理解しているとは言い難い。そしてそんな奴はどんなに外見を決めてようと全然格好良くない。

今シーズンの俺達は未だチームに乗せられてるだけだけど、いつかチームを乗せなきゃいけない時が来る。今のこの状態に安穏としてたらそれはきっと出来なくなってしまう。だからそれぞれ皆で考えよう。応援ってなんなのかを。

2006/03/26

TITLE:「 第五節 横浜Fマリノス 日産スタジアム 

栗原勇蔵(笑)
横浜1-3浦和 得点者:山田・ワシントン・長谷部(浦和)大島(横浜)

な!俺の言った通りだろ。浦和と横浜の試合は最大のエンターテイメントだって!
あぁそんなことは欠片も言ってませんね。すいません。前半は予想通りのジリジリした展開だったが、終わってみれば横浜相手に快勝だった。俺は浦和の力を見誤っていたかも知れん。凄まじいわ、マジで。

今節浦和は新しい戦略に出た。今までは相手に『勘違い』という希望を残すために失点を重ねてみたが、今回は相手に絶望を与えるために失点をしてみるというあまりに驚愕な戦略である。事実マリノスは0-2で試合終了を迎えた方がまだ手応えが有ったのでは無いかと憶測する。0-2となった後の試合展開は攻めるマリノス、守る浦和時々ハーフカウンターの展開が延々と続いていた。中盤無視の見せかけの攻勢であったが、怖くなかったと言えば嘘である。事実大島に終了間際得点を許している。

が、だ。そこで浦和は予てから思案中であった新戦略『上がった分だけ落ちるのは倍ね』作戦発動である。長谷部のスーパーシュート炸裂で、マリノスの「いける!」と盛り上がった気持ちの分だけ、直後のポテンシャルの差を見せつけられる失点で気持ちがそれ以上に急降下。エノタツの失点後の座り込みっぷりが如実にそれを物語っていたから。

まぁ妄想だ。いやそれ以下だがな。
岡田の素敵な勘違いがガチで渡り合う好試合を演出してくれた。岡田の言う通り浦和の完成度は04年セカンドステージの出来には及ばないが、ポテンシャルは現在の方が圧倒的であろう。そして横浜の左は脅威である。マルケス、ドゥトラ、マグロンに対峙するのは堀之内、暢久、啓太である。多分岡田はここで力の差を見誤った。ドゥトラと山田暢久は同等であるにしてもマルケスが堀之内に遅れを取ることはないであろうと予想したのではなかろうか?(マグロンと鈴木啓太が直でマッチアップする事は多くないが人数あわせで書いてみた)。が、予想に反して堀之内はマルケスをきっちり押さえ込んでみせた。コンビネーションで裏へ抜け出られたシーンもきっちり啓太が対応していた。攻撃のメインと目論んでいた場所を封じられては苦しいのも道理。以降メンバーチェンジを繰り返すもマリノスの攻撃はどこかチグハクしていた印象が拭えない。

ただ岡田の分析は素晴らしい。今まで対戦してきた他の監督とは一味違う。多分次回は修正してくることだろう。監督だけでなく選手のコメントも敗戦をしっかり受け止めている(多分に松田のコメント中にある「浦和のロングボール攻撃で敗れたことに関して」はインタビューアーが馬鹿なのであろう)。やはり今シーズン最大の敵はマリノスなのだろうか。ガンバも手強かった。フロンターレの攻撃力も脅威である。鹿島の底力だって侮れない。どこのチームだって警戒せざる得ない。がきっと相手チームはそれ以上にウチのポテンシャルを怖れている事だろう。慎重になることと及び腰になることは違う。自信を持つことと慢心することは違う。そこを勘違いしなければ良い結果はついてくると思う。

そして、正直、ここ最近『We are Reds』コールには食傷気味であったが、この試合で終了後に叫ばれた横浜に向けての『We are Reds』には大きな意味があった。大切なものは大切にしようぜ。どこぞのBlogのように毎回のエントリーに多用し乱雑に扱うもんじゃねーと思うな。